作者
佐々木宏之, 林洋一郎
发表日期
2017/1/31
期刊
慶應経営論集
卷号
34
期号
1
页码范围
233-246
简介
Baumrind は, 幼少期の親の養育スタイルを権威ある養育, 権威主義的な養育, 許容的な養育という三つのタイプに分類した. これら三タイプを測定する尺度には, 青年期の養育を子どもの視点から評価するもの. 幼少期の養育を親の視点から評価するもの, 過去の被養育体験を子どもの視点で回想するものがあるが, 子どもと親の回答の間の共通性や一貫性については不明な点が多く, また回顧的なアプローチは記憶の正確さに依存するといった問題が内在している.
そこで本研究は, 幼少期の養育スタイルに関する回顧的な評価が親子問でどの程度一致するかを調べ. また親子それぞれの養育評価が子の自己制御志向を予測するか検討することを目的とした. 205 組の親子 (学生とその保護者) が Baumrind の三タイプに関する回顧的ペアレンティング尺度に回答し 学生はさらに自己制御焦点傾向を測定する二種類の尺度に回答した. 多母集団確認的因子分析の結果, 親子間で測定不変の水準で因子等価性が確認された. しかしながら, 養育評価に関する親子間相関については弱い相関を見出すにとどまった. 親子の認識のずれを調べるため. 親子ペアの評価の差を検討したところ (t 検定), 養育に関する親の自己評価は子どもからの評価より高いものとなった. 重回帰分析の結果は, 親と子による養育評価が子 (学生) の現在の制御焦点傾向に対して異なる関係性を持つことを示した. 以上の知見から, 回顧的ペアレンティング尺度の利用可能性について議論した.
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