環境条件のステップ的な変化に伴う堆積物の酸素消費・リン溶出の応答

井上徹教, 中村由行, 足立義彦 - 水工学論文集, 1999 - jlc.jst.go.jp
井上徹教, 中村由行, 足立義彦
水工学論文集, 1999jlc.jst.go.jp
富栄養化した比較的浅い水域では 1. 水温・塩分濃度の変化に伴 う密度成層の発達, 2.
堆積物の酸素消費による底層水の貧酸素化, 3. 堆積物からの栄養塩の溶出, 4.
風による密度成層構造の破壊と表層水への栄養塩の供給, といった変化を頻繁に繰返している.
例えば, 宍道湖では低気圧の通過などに伴い高塩分水が下層に侵入 して明瞭な塩分躍層が形成
される. この時底層水では 3∼ 4 日の時間スケールで貧酸素化が進行 し, 堆積物からの栄養塩
溶出量が増加する 1). その後, 風波の発達により密度成層は破壊され 2), 栄養塩を高濃度に含んだ …
富栄養化した比較的浅い水域では 1. 水温・塩分濃度の変化に伴 う密度成層の発達, 2. 堆積物の酸素消費による底層水の貧酸素化, 3. 堆積物からの栄養塩の溶出, 4. 風による密度成層構造の破壊と表層水への栄養塩の供給, といった変化を頻繁に繰返している. 例えば, 宍道湖では低気圧の通過などに伴い高塩分水が下層に侵入 して明瞭な塩分躍層が形成される. この時底層水では 3∼ 4 日の時間スケールで貧酸素化が進行 し, 堆積物からの栄養塩溶出量が増加する 1). その後, 風波の発達により密度成層は破壊され 2), 栄養塩を高濃度に含んだ底層水は表層水と混合される. 1997 年 秋の著者 らの観測では, 底層水の溶存酸素 (DO) 濃 度が風による混合によってほぼ数十分以内のうちに無酸素状態から 80% 飽 和度まで回復したり, 逆に貧酸素化した塩水の侵入によって DO 濃 度が低下するといった急激な変化が見出された. また, 東京湾においても上記と同様な, 比較的短い時間スケールでの密度成層の発達・貧酸素化が報告されており, その底生生物への悪影響が指摘されている 3). このように数十分∼ 数日のオーダーでの水質や流動の変動は, 浅い富栄養化した水域での物質循環に非常に重要な役割を果たしていると考えられる. しかしながら堆積物による酸素消費速度 (SOD) や 堆積物からの栄養塩の溶出に関する従来の研究は主として季節変動の様な長い時間スケールでの変動を対象としており, 数日以内のオーダーでの変化過程を調べた研究はほとんど見られない. そこで本研究では, 堆積物直上の流れや水質の短期的変化に対する SOD や リン溶出速度の応答を調べるために, DO・リン酸態, リン・第一鉄イオン・硫化物に関する非定常数理モデルを構築した. また, 微小電極を用いた酸素消費・栄養塩溶出実験の結果と比較 して, 本モデルの検証を行った.
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